-サイド三成-


「おやすみなさい」


友衣の穏やかな声が聞こえたと思うと、小さく障子が閉まる音がした。


「ふ」


暗闇の中で1人苦笑する。


左近や友衣にはああ言ったが、オレは確かに無意識ながら女を求めていた。


しかし、酔っていたとはいえ友衣を抱きしめた自分に驚く。


まさか華を愛していながら、本能的には友衣を好いていたのだろうか。


しかし、あいつは左近の女だ。


友衣も左近を愛している。


「ダメです。私には左近様が」


あの言葉。


左近の部屋からたまに聞こえた友衣の甘い声。


なぜだ。


なぜ切なくなる。


「そんなバカなことがあるものか…」


オレのその呟きはなんだか弱々しかった。