「う…」


どれくらい経っただろう。


意識を取り戻したが、まだ頭がぼんやりする。


薬でも嗅がされたかな。


まわりを見ると、なんとこの前の賊のアジトだった。


一瞬驚いたが、なぜか人の気配がないことに気付く。


「どういうこと?」


不審に思い、隣の部屋を覗く。


そこにも人影はない。


「出て行ったのかな」


なんて少しのんきなことを思いながら、何気なく別の部屋を覗き込んだ。


「きゃあ!」


そこには十数人の賊達が転がっていた。


しかもみんな息絶えている。


そして部屋の中央にいたのは…。