県大会一回戦目の球場へ向かう。

相手は綾野中学と同様に強豪と言われてる大和三並(やまとみなみ)中学校。


去年の夏の大会は、県大会決勝で大和三並と戦って
4-0で勝って関東大会出場を決めていた。


「大和三並かぁ。俺の友達もいんだよな。」


隣に座っていた海斗が言う。

『同じシニアだったの?』
「おぅ。バッテリー組んでた。」

『へー。じゃあ久々に会えるかもな。』
「あー、うん」


何だか曖昧な返事をする海斗。

『なに?会いたくねーのか?』

「そうゆう気分じゃない。」


海斗は今にも吐きそうな顔をしていた。

『ちょ、おまっ、酔ってんなら早く言えよ!俺エチケット袋持ってねーぞ!』

「無理です、私の限界はとっくに達してます。もう翔也の頭に吐く。」

『てめぇふざけんな!酔い止め持ってねーのかよ!』

「…あ。」

『…あ。じゃねーよ!何なんだお前は…。』


俺らの馬鹿話しに皆が笑った。


「海斗のギャグ線神レベルやん!翔也のツッコミもおもろいわー!マジいいバッテリーやな!」


「ありがとう…ございます…うぇ。」

そんな和やかなムードも
球場に着き、大和三並のユニフォームを見た瞬間

先輩の目の色が変わった。