「ねぇ翔也くん、この間の話しの続き…後でしたいんだけど。」
『全然いいぜ!』
前から少し気になっていたこと。
雛菊とずっと話していると
一年の番がやってきた。
雛菊はスターティングブロックに足をのっける。
頑張れ…
「よーい!!」バンッッ!!!
ピストルの音と共に走る雛菊。
やっぱり速い。
雛菊からバトンを受け取る。
そして雛菊はバトンから手を離す瞬間に
ピースをしていた。
何だかよくわかんないけど
勇気を貰った気がして、
多分人生で一番速いタイムを出したと思う。
結果は練習のときと同じ一着だった。
一組に戻ると海斗が抱き着いてきた。
海「翔也ー!!俺はお前を信じて正解だったぞー!やっぱ美愛ちゃんとお前はぶっちぎりで速ぇー!!」
『はは、サンキュ!』
リレーが最後の種目だったから体育祭は全種目が終わり
結果発表になった。
校長が朝礼台にあがる。
「えー、優勝は…
一組!!!」
俺らは声をあげ喜ぶ。
他のクラスはがっかりとした雰囲気で
三年は最後の体育祭だから
他クラスと一組の清濁混ざった阿鼻叫喚。
雛菊がこちらに何かを言っている。
でも飛行機の音でわからない。
あ、り、が、と、う!
口の動きでわかった。
こ、ち、ら、こ、そ!
口パクで言っみる。
すると雛菊は満面の笑みを向ける。
その笑顔は反則だ。

