「あとは、可愛い子いっぱいいるって聞いたから。」
海斗は少し小声で俺に言う。
「特にあの子。雛菊美愛(ヒナギクミア)ちゃん。」
雛菊美愛って…
海斗の目線の先には、やっぱり
今日草原で会った子だった。
セミロングで、目がビー玉みたいにくりくりしてる。
俺の印象はそんな感じで
笑顔が凄く可愛い、と
海斗は言っていた。
「翔也。お前も一瞬で惚れたか?」
『俺野球しか頭ん中ないから。』
「えー!お前どんだけ野球馬鹿なの。
普通野球と恋愛は両立してなるもんだろ」
『そんな器用な性格じゃねぇし』
恋愛なんて一切興味なんてなかった。
バットとグローブがあればいい。

