どこにも居ない。



汗だくになったシャツをパタパタさせながら廊下を通っていたら



「…うっ…」



どこからか泣き声が聞こえてきた。



俺は泣き声が聞こえてきた古い使われていない教室に足を踏み入れた。



そこにいたのは



めちゃくちゃ泣いている先輩だった。




「こんなとこに居たんですね」



先輩はビクッと体を震わせ俺を見た。



「来ないで」



ズキッ



俺の胸に先輩の言葉が刺さった。