「先生にそんな過去があったんですね」



いい話だなぁ。



「そして今は俺の妻なんだ。可愛い娘もいるし。あの時勇気を出して良かったなっておもってる。鈴木には、後悔して欲しくないんだ」



先生が真剣な表情であたしに言った。



「……」


「3年生が学校に来るのは、2学期で終わりと言っても過言ではない」



確かに、そうだよね。


「はい」


あたしは頷いた。


「そしたら、もう逢うことはなくなるんじゃないかな?」



そうだよね。


「あたしは、迷ってました。あたしの本当の気持ちを伝えたらまた先輩に切ない表情をさせてしまうんじゃないかって、思ってました」