すぐ斜め上から降ってきた声の持ち主、五十嵐くんに腕を掴まれて、ぺリッと、のんちゃんから引き剥がされた。


そして……。


「心優、走れっ!!」


五十嵐くんは、あたしに向かって怒鳴り声をあげた。


「……え? え? えっ!?」


戸惑うあたしなんか軽く無視して、数十メートルくらい、あたしを引きずるようにして走る五十嵐くん。