ヤンキー王子とラブレッスン③【完】

そしたら、五十嵐くん。


もう一度あたしの方を向いてくれるかも。


そう考えて、ギュッと握ったこぶしで涙をふいて……。


あたしは、五十嵐くんの名前を呼んだ。


「五十嵐くん。
五十嵐くん。
五十嵐くんっ!!」


さっきの場所から数歩離れた冷たい背中に、呼びかける。


「五十嵐くん!
五十嵐くん!!
五十嵐くんっ!!!」