斎藤さん━斎藤一。
お前━少女。間諜として送り込まれた。



斎藤さん、そろそろ夕食のお時間です

そう頬を染め俯きたいのを抑えて此方を見るお前は愛らしいと思う

だが、お前は間諜で、

そのことを知るものが少ないことが救いだ

平隊士は取り乱しお前を斬ってしまうだろうから

幹部ならまだ余裕がある
落ち着いて対処できるだろうから、その点は安心だ

お前が愛しいのに、きっとお前は斬られなくてはならないだろう

もしお前が、隊に仇を為さないのならば、俺はお前を守りたい

いや、恐らく、俺はお前が仇を為してもお前を守る

頼む。守らせてほしい

俺の未来があとどれ程か、見当もつかぬが、だが俺の未来をお前に捧げる。
お前も、俺にお前の未来をくれないか?
必ず、必ず幸せにする。

だから―――…