僕━ぼく。沖田総司。主人公。
君━きみ。攘夷派の間諜の少女。


僕は
君にあんなに冷たくした
酷い事云って傷つけた
君は敵
なのに何故僕に優しくするの?

恩を売って搾取するつもり?

でもあの時の

『羽織を掛けようと思って……そのままでは風邪を引いてしまうから』
『起してしまいましたね。ごめんなさい』

あの時の君の瞳は嘘を云う瞳じゃなくて
純粋な…心から何かを云う瞳で

僕は
君の何かを見落しているの?
君の心を邪推し蹂躙してしまった?
君は己の微衷を尽くし、ただ僕の身体を気遣ってくれたの?

そんなことして
自分は役立たずじゃないと思わせたかった?
どうにかして斬られない様にしたかった?

いや、君の瞳はそんなこと思ってる風ではなかった。
本当に心から微衷を尽くす。そんな瞳。

君は僕に何がしたいの?僕に何をさせたいの?
僕は、君に謝りたい。
僕は君に恋をしているのかな。
だって君がこの新選組に害をもたらしても、僕は君を斬りたくないんだ。
あんなにも冷たくしといて、どうしたら君に嫌われないか、僕は考えてるんだ。
どうしたら君は僕を好いてくれるのか。

どうしたら……。