「よ、よろしくお願いします」

先生は黒縁メガネの
髪は明るい茶髪...先生、アンタ染めてはりますね?
そんで、ちょっと細め、顔は...いたってフツー
それと、兵庫県の淡路島出身らしい

「えーっと、名前は飛鳥さん...でええよね?」

「あ、はい」

ウチはクッソ笑顔で答えたった
なんや、もうちょいイケメンが良かったわ!!

「科目は数学かぁ...」

「はい、数学苦手なもんで...」

ウチ、ホンマに数学苦手やねん
入学した時の診断テストはやばかってん
できれば触れてほしないねん...あの点には...

「で、診断テスト何点やってん?」

...言ったそばから聞いてんじゃねーよ!!!
いや、言ってませんけど、言ってませんけどね...

「言わなあきませんか?」

「そりゃなぁ...何?そんな悪かったんか?」

...悪いとかどころじゃないねん
赤点に近いねん、先生聞いたら気絶するかもやで?

「...45点...です」

「...はぁ!?そんな悪かってん!?」



『.....』



一瞬の沈黙

そりゃそうなるわな
だって45点やで?自分でもびっくりしたわ!!

「あのぉ~スンマセン...こんな点で...」

「いや、その点をどうにかするんが俺の役目や!!」

いや、そんなこと言うても45点やで?
この絶望的な点をどうにか出来るんか?
いやいや、待て!!この点をどうにかするために
ウチはここに来たんや!!

なぁ~んて自問自答してるウチをよそに
先生は「うんうん」うなってはる
ごめんやで先生...

「ほなとにかく、期末テストの目標点!!」

先生が張り切ってる
目標点...そんないきなり高い目標立ててもなぁ...

「70?」

まぁ、こんなもんやろ
ウチはそう思てた

「低い!!せめて80とれい!!」

「...はい?80?高くないですかい??」

「いや!!出来る!!俺がお前の頭良くしたる!!」

「ホンマ?」

「おぉ!!約束やで!絶対80点とるんや!!」

先生はいきなりウチにすんげー試練を与えてん

『80点』

45点のウチからしたらすんげー点なんやで?
でも、先生が出来るとか言うから
乗せられてしもたやん...

だからウチはその日から
期末テストでいい点取ろうと
先生と二人で頑張り始めたんよな








...先生、これがウチらの初めましてやってんなぁ...

会っていきなりテストの話しして、うちの絶望的な点を
先生と一緒に上げようと努力しようと
あの日二人で約束してんなぁ...

先生...ウチ、きっとあの日にもう先生のこと、
好きになってもーてたんや...大好きになってもーてたんや