「じゃあ、テスト頑張るんやで」
「うん、慧ちゃんも頑張ってな」
ウチは慧ちゃんに背中を見せて
その場を走り去った
ガラガラッ
教室に戻ると2人が待ってた
「あっ飛鳥!!どこ行っとったん?!」
「あっ、愛菜」
「先生に言い訳するん大変やったんやからぁー」
「せやせや!!」
「由樹もありがとうなぁー」
「アホ飛鳥!!」
愛菜の憎まれ口聞くんも最後かぁ、
寂しなるなぁ
まぁ、言われるんも嫌やったけどな
「あほちゃうわ!!かわいらしぃ乙女や!!」
ウチらは歩きながら
階段の踊り場へ出た
「ばぁーか!!あっ、飛鳥さ、来週の休みにバレー部の1年でカラオケ行くんやけどけど、もち行くよな?」
「あっ、その、えーっと...実はウチ、引っ越すねん」
アハハッて笑ってはみたものの
2人の顔は笑ってない、ぽっかーんってしてる
「はぁっ!?またまたぁー、何の冗談?今日はエイプリルフールちゃぅでぇ~」
最初にそう言ったのは愛菜だった
「いや、冗談やなくてさ、」
「マジで?」
愛菜はさっきの態度とは打って変わって
肩を落として今にも泣きそうなってる
「飛鳥...」
由樹が険しい顔をしてウチの顔を見る
「まぁ、テストの結果が返って来るまではおるから!!」
「ちゃぅ!ウチが言いたいんはそんな事じゃないってコト、わかってるやろ!!」
由樹は小学校のクラブチームから一緒なだけあって
なんでもわかる
由樹が思ってること...
「わかってるよ...なんで言ってくんなかったの...やろ」
「...わかってるやん...なぁ、なんで?最近変やと思っとった
でも、ウチは飛鳥からゆーてくれるん待っとった...のに...」
由樹は半泣きになりながら
ウチへの思いを吐き出した
「ゴメンな...由樹にはもっと早く言おうと思っててんけどな...ウチも、いまだに頭ん中ゴッチャゴチャやねん、整理...できひんねん」
「...あーもぉ!!!由樹も飛鳥もそんな暗い顔すんなって!!!」
「愛菜...」
「...せやなっ!!笑顔で送り出したらな!!」
「由樹...2人とも、ありがとうな...会いに来るから...メールもするから...ホンマ、ありがとう...」
「飛鳥...うん、約束やで!!」
「ほら、泣くなアホ飛鳥!!!」
「う、うん...ありがとう!!」
その後は、えぇ点とれるとえぇなーとか、
問題の出し合いとかして、とうとう数学のテストの時間になった

