「姉貴!!はよしぃや!!!」

「まって~なぁ~」


ウチ、大阪に住む中岡 飛鳥は
今日の日をどれだけ楽しみにしていたことか!!
今日から塾に通い始めますねん!!
部活はバレー部やねんけどな、勉学にも励まなあかんしなぁ
っツーわけで今から駅へ行くんねんけど...
まぁ、ズボラっ子なお姉様のせいでばたばたしてますわ...
ちなみにうちの姉貴は 中岡 春 つって、美術部ですねん
 


「姉貴遅いねん!!」

「あっちゃんが早いんよぉ~」

「電車遅れるやろはよ行くで」

「まってぇ~」

「もー知らん!!」

そう言い放って姉貴をほったらかして
出ちゃったわけですわ


カンカンカンカン
パァァァァァ


「お、電車来たわぁ...ん?」

「あっちゃ~ん!!」


息を切らしながら慌てて駅のホームに駆け込んで来る
うちのズボラっ子様...

「あっちゃんっはぁはぁ...間に合ったでぇ...うちの脚力なめんなやぁ」

「バカ」そう言って姉貴に白い目を向ける
ホンマにアホやんなぁうちの姉貴は...

うちらは後ろの方の車両に乗り込む
塾までは一駅
けど、歩いたら相当な距離ですねん

『次は~○○駅~○○駅~』

と電車内に放送が響き渡る
あっという間に着いてしもた

ほな、頑張りましょ!!いざ、勉学を極めに!!

ガラガラッ

「こんちわ~」

姉貴のあとに続いて塾に入る

「こ、こんにちわ~」

ウチがちょっと戸惑ったように挨拶すると
人の良さそうなおじちゃんくらいのセンセーが
笑いながら出てきた

「おぉ、こんにちはぁ春ちゃん...そっちは妹さん?」

「うんせやせやぁ飛鳥っちゅうねん」

「こ、こんにちは中岡 飛鳥いいます!!」

うちはちょっと硬すぎたかなぁと思うたけど
おいちゃんの顔見たら気ぃ抜けたわ
だってにっこにっこしてはるんやで?

「こんにちわぁ、僕は塾長の河村といいますよろしく」

「はい、よろしく頼んます」

ウチは席を教えられて座った
この塾個人授業みたいになってて
先生が三人くらい相手にグルッぐる回ってて
大変そやなぁ、って思う

ウチがいすグルッグル回してたら
誰かに止められた

「ちわ、俺が担当の久米 大樹ですよろしく」

これがウチの先生っすか