「ハァ、ハァ、ハァ...」
気づいたら、
いつも落ち込んだ時に来る公園に付いてたんや
「うぅぅぅ...」
ウチは、いつも座るベンチで
うずくまった
母さんに怒られた時に来た、この公園
友達と喧嘩してまった時に来た、この公園
告白して振られてまった時に来た、この公園
けどな...
今までで1番、今日が辛い...
どんなに落ち込んだ時に来た時よりも、
今が...1番辛いねん...
そん時やった
ウチの後ろから、すっとんきょうな声が聞こえたんは
「飛鳥さん!?」
この声...
ウチが今1番聞きたかった声や...
ウチが今、
一番会いたかった人の声や...
「久米...センセ?」
ウチは涙でグジャグジャの顔を上げて、
声のした方を向いた
したら、案の定久米先生やってん
先生はものごっつ驚いた顔でウチを見てた
けど、すぐにいつものフツーの顔に戻って
ウチんとこ来て、ウチの隣にストンッて座った
「何で、そんな泣いとるかは、お前が話したなったら話せばええねん
そんな無理矢理はきかん...でもな、一人で抱え込むんはあかんで...」
そう言うた先生は
あの日の授業みたく、ウチの頭を
ポンポンッって軽く撫でた
先生はそれ以外なんも喋らず、
ただ、黙ってウチの頭を撫でた
ウチは、段々収まってきた
いろんな感情が、胸を撫で下ろすと同時に
自分の中から出てった気がした
「そういえば、何で先生はここおんねや?」
「あぁ、実はな...」
先生が話そうとした時やった...
「だーいきー!!」
女の人がこっち向いて
てぇ降ってた
もしかして...
「先生の...彼女さん?」
先生はちょっぴし照れて
頭をかいた
「まぁ、そういうこっちゃ」
先生は立ち上がって
彼女さんの方へ走ってった
「センセっ...」
また、1人や...そうやって
皆うちを置いていく...
「アカン...さっき出しきったはずやのに...」
うちの頬を伝って、
また、熱いものが下へ、下へと落ちていった

