ガチャガチャッ


「ただいまぁ~」


 ? 誰の返事もあらへん...

「姉貴?彩ちゃん?父さん?母さん?」

呼んでも返事があらへん
その代わり奥から聞こえくる泣き声

「うわぁ~んあ~ん」

ウチは訳わからんと、泣き声のする
ディビングにゆっくりと足を進めた

「!?!?」

そこにはグッチャグチャに荒せらた部屋に
泣いている妹の彩奈を抱いて座り込んでいる姉貴の
2人しかいなかった

「姉貴...?」

姉貴は今更のように振り返って
笑った

「お帰りあっちゃん...」

「どしたん!?」

姉貴は少しうつむいて
今まで起きたことをゆっくり説明しだした

「あんな、落ち着いて聞いてな...父さんと母さんな...離婚...すんねんて」


ドサッ 


ウチは驚きのあまり、
持っていたカバンを落としてしまった
それも運悪く足の上に...

「何で!?何でなん!?2人共あんな仲良かったやん!!」

「あんな、父さんの浮気が原因なんやて...」

何でかしらんけど目から熱いもんが流れ出した
ウチの目から溢れたそれは、ウチの頬を伝って
床に落ちた

泣いてる...ウチは気づいたら泣いてた
あかん、泣いたらあかん、うちがしかっりせぇへんと
姉貴はズボラっ子やし、彩ちゃんはまだ小1の女の子なんやで?

そうや、この涙はさっき足に荷物落とした時の痛みが来たんや
痛くて泣いてるんや、そうに決まってる

「あっちゃん...」

「違うで、ウチ泣いてへんでだって母さんと父さんは帰ってくるやろ?」

「あっちゃん...」

「帰ってくるやろ?なぁ、帰ってくるよなぁ!!」

「あっちゃん!!」

気づいたら、姉貴が叫んでた
いつもはぐうたらしてて、叫ぶなんてしない姉貴が
怒鳴ったんや...

「えぇか、よぉ聞き!!もぉ、2人共帰ってこぉへん、それが現実なんや!!」


3人しかいない部屋で、
姉貴の怒鳴り声と彩ちゃんの泣き声が響いた
最悪の夜だった