お昼ご飯も食べて、皆のんびりしていると、鈴木くんが何かを取り出して馨に渡した。

よく見ると、それは馨が好きなゲームのキャラクターのキーホルダーだった。

「お土産。」

鈴木くんは一言そう言った。

そして、鞄の中からもう1つキーホルダーを取り出して、少し間を置いた後、私を見た。

「...いる?」

「へ?」

私は、思わず聞き返してしまった。

「だから、いる?」

「ぇ、私にくれるの?」

「......」

鈴木くんは、また少し考えながら、無言で私にキーホルダーを差し出した。