皆と無事に合流して、打ち上げ花火の時間になった。

皆が写真を撮っているなか、私はしばらく花火を見上げていた。

そして、ふと、鈴木くんに目をやった。

好きだな。

深く、そう思う。

花火を見上げている後ろ姿が、どうしようもなく愛しく感じられた。

言えない想い。

嘘をつき続けなきゃいけない。

私の想いは、鈴木くんには届かないから。

私たちは、友だち..

自分の気持ちをごまかさないと、私と鈴木くんの関係は、この花火みたいに儚く散ってしまう。

そのことを、私はよくわかっていたから。

余計に、鈴木くんの後ろ姿が、愛しかった。