鈴木くんを見つけたのは。

「..っ、鈴木くん!!」

小走りで鈴木くんの元に駆け寄る。

「あ、いた。」

「皆どこ?」

「さぁ、でも歩いてれば見つかるんじゃない?」

「そうだね。」

会話だけ聞けば、きっとそっけなく見える。

だけどね、私は嬉しかったんだ。

だって、鈴木くん。

浴衣の私に歩幅合わせてくれてたから。

そんな些細な優しさに、私は恋をしている。

もちろん、鈴木くんには内緒だけど。

ありがとう。

私は、心の中でそう呟いた。