電話を切った後、キッチンでご飯の仕上げをしながら、玄関の靴箱の上に飾られた写真立てに目が行った。
私がムリヤリ置いた二人の写真を、アツは別れていた1年間も、ずっと飾ってくれていた。
離れていたって、私達はいつもお互いを強く想ってた。
それはね、今もかわらないよ?
アツはいつも私の1番好きな人で、私を1番好きでいてくれる人。
誰よりも大切な人。
足音が聞こえて玄関のドアを開ける。
「おかえり〜!」
「何かあった?」
険しい顔をして、ちょっぴり息なんかきらしちゃって、“ただいま〜”も言わないで、いきなりソレ?
「ねぇ先にご飯食べようよ!」
「何だっけ名前?大北?今日、話したのか?」
そりゃ気になるよね?呑気にご飯食べてる場合じゃないよね〜。
「ちゃんと話すから。とりあえず座ろう?」
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