「アツ、ごめんね?もう大丈夫だから」
部屋に戻ると、ボーっとテレビを眺めるアツ。
私の方を見てくれない。
プチンとテレビを消しても、アツはそのまま暗くなった画面を見つめていた。
「アツ・・・」
「お前何なの?何で俺から離れんの?」
振り向いたアツの目は、不機嫌とか怒っているって言うんじゃなくて・・・
傷つけちゃったのかな?
「ごめんなさい。でも私、大北さんにちゃんと伝えたよ?アツじゃなきゃダメだって」
「もうメールとかすんな」
「分かってる。こうなるまで黙っててごめんね?」
気持ちを確かめる様に、しばらく私の目をまっすぐ見た後、
「来いよ」
ちょっと強引に抱きしめる。
「誰にもやらない。お前は俺のだろ?」
「そうだよ。私はアツのだよ」
このぶっきらぼうで偉そうなアツの言葉が一番胸に響く。
愛を感じるんだ・・・。
「俺をこんなに動揺させるのはお前だけなんだからな。・・・マジ焦るっつーの」
信じてないわけじゃない。どんなにお互いを思っていても、どれだけ大丈夫だって思っても、やっぱり不安になる事もある。
それはやっぱり、すごくすごく好きだから。
どうしても手離せないから。
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