突然降り出した雨に、私達と同じ様に次々と車に引き返して来た人達。



もし私が豪快にTシャツを脱いでいたら、それはきっと外からは丸見えで・・・



「でもちゃんと見えない様に着替えるつもりだったよ?」



学生の時は体操服に着替えるのにわざわざ更衣室に行くのが面倒で教室で着替えていた。



背中がチラッと見える程度で大丈夫だもん。



「そういう問題じゃねーだろ」



完全に怒らせてしまった様で、私は冷たいTシャツを着たまま、グッと口を噤む。



不機嫌そうな顔でそのまま車を発進させたアツに、しばらくの間は話しかける事も出来なくて・・・車内に流れるハイテンションな音楽だけが救いだった。



少し行くと少しずつ空が明るくなってきて、厚い雲の隙間からいくつもの光のすじが伸びる。



「雨、やみそうだね?」



「・・・・・・・・・」



あれれ〜?無視かな〜??



その後も、何を話しかけても全然反応してくれなくて、まただんだん腹が立ってきた。



そんなに怒る様な事?



忘れちゃってたけど、私ゲンコツされたよね?



暴力反対!!



彼女に手を上げるなんて、この最低彼氏ーっ!!



「ねーアツっ!」



「ばかっ危ねーだろ!」



「いたっ」




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