何だか良くない雰囲気を残したまま、車は目的地に到着してしまった。
広い芝生と、アスレチックの様な何やら楽しげなものがある大きな公園。
夏休みに入っているせいもあってやっぱり子供連れが多く、みんな嬉しそうに笑ってる。
「暑っちーな」
太陽を見上げて伸びをするアツの背中に、“ごめんね?”と小さく呟いた。
それが聞こえていたのかどうかは分からないけど、振り向いたアツは、優しい笑顔で私に手を差し出した。
笑顔を返してその手を掴むと・・・
「ちげーよ。荷物だよ」
・・・・・・・・・。
肩にかけたバックをアツに渡して、一人でスタスタ歩いて行くと、後ろからケラケラ聞こえた笑い声。
「コナミ冗談だって。はい、手繋ご?」
「アツって本当に意地悪だよね!」
別に手なんて繋いでくんなくても、全然いーもんっ!!
再び差し出された手をチラッと見ただけで、私はまたアツに背中を向けて歩き出した。
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