結婚式前日。



神戸からアツの両親が到着して、私の家でみんなでご飯を食べた。



明日は大切な日だっていうのに、またまた飲みすぎちゃうお父さん。



今夜はお父さんとお母さんに、今まで育ててもらったお礼を三つ指ついて伝えようなんて思っていたのに。



ドラマのようにはいかないもんだね。



振り返るとこの3ヶ月は本当にあっという間だった。



結婚式の準備に加えて、とりあえずはアツのお家で新婚生活をスタートさせるために私の荷物を運んだバタバタの引越し。



狭いアツの部屋には家具なんて持って行けなくて、服と靴と身の回りの必要最小限のものだけを持っていった。



この部屋で過ごす独身最後の夜。



帰り際にアツが私に渡してくれた一通の手紙。



あまり上手とは言えないけれど、力強くて男っぽいアツの字。



手紙を読む前から、じんわりと目頭が熱くなった。