3人の押しに負けて、アツに電話をかけた。



最初は渋っていたアツだけど、“有美からの呼び出し”だと告げると、しばらくの無言の後、“分かった”と、ため息まじりで了承した。



やっぱり有美には逆らえないねって、私は心の中で苦笑い。



アツが到着するまでの30分。



ファッションだったり、ネイルだったり、美容だったり、ちょっとエッチな話だったり、女の子特有の会話で盛り上がる。



「あっ、倉橋!!」



砂七が入り口に向かって手を上げた。



同時に残りの3人が振り返ると、アツが真っ直ぐこちらに向かって歩いて来た。



今日は私のお気に入りの黒のショート丈ダッフルコート。



カジュアルなんだけど、すっごい可愛いんだよね!



「ぷっ。なに、どうしちゃったの?その頭」



アツを見ての美穂の第一声。



高校の頃はずっと暗めのブラウンだったアツの髪は、就職と同時に黒髪に。そしてあの頃より少し短めになっている。



「うっせぇよ」



相変わらず愛想のないアツの対応にも、みんなは懐かしそうに笑ってる。




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