「私ね、あなた達が別れていたこと、ずっと知らなかったのよ」
「・・・えっ」
おばちゃんがそれを知ったのは、半年も経った後だった。
電話をするたびに、何も知らないおばちゃんが私の話を切り出すと、アツはいつも曖昧な返事でごまかした。
そしてそのうち、電話に出なくなってしまった。
あまりに様子がおかしいと感じたおばちゃんは、心配になって、アツのお家に向かったんだ。
「まさか別れてるなんて思ってなかったから、コナミちゃんに会いたいって言っちゃったの」
その瞬間、アツは何も言わずに部屋を出て行こうとした。
そして引き止めたおばちゃんに、アツは怒鳴るようにこう言った。
「コナミはもういねーよっ!!俺がアイツを傷つけたから、アイツはもう帰ってこねーんだよっ!!」
「・・・なにがあったの?」
「・・・・・・」
「篤貴!!」
怒った顔をしたアツだけど、おばちゃんには泣いているようにしか見えなかった。
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