キッチンで夕食の準備を手伝っている時、玉ねぎを切りながらおばちゃんが言った。



「コナミちゃん、篤貴のことよろしくね?」



「はい!私の方こそ、よろしくお願いしますっ!!・・・・・・えっ?」



隣で野菜を洗っていた私が、笑顔でおばちゃんに振り向くと、おばちゃんの目に涙がたまっているのが見えた。



一瞬、玉ねぎのせい?って思ったけど、それは違うってすぐに気づいた。



「篤貴ね、一度だけ私の前で泣いたことがあるのよ」



「・・・え?どうして・・・ですか?」



おばちゃんは、優しく微笑んで涙を拭うと、『篤貴には内緒ね?』って・・・きっとアツからは一生聞くことが出来なかったであろう話をしてくれた。




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