「あっそうそう篤貴、明日美(アスミ)ちゃん覚えてる?」
「明日美って名古屋にいた頃の?」
「そうそう!!」
アツは子供の頃、お父さんの仕事の都合でなんどか引っ越しをした事があると言っていた。
名古屋にも住んでいたのかな?
「明日美ちゃん今、神戸にいるのよ。今日、篤貴が来るって言ったら、会いたいっていうから、夕飯に誘っちゃったんだけど・・・」
「お母さん、今日は断った方がいいんじゃないか?篤貴たちの大事な話をちゃんと聞いてやらないと」
おじさんとおばちゃんが困ったような顔で私たちに視線を向けた。
大事な話って、やっぱり結婚のこと・・・だよね。
「てか、コナミ連れて帰るっつってんのに、なに明日美さそってんだよ」
「アツ!!」
親に対して偉そうっ!!
仕方ないじゃん。
今日、私たちが結婚の話をするなんて、おじさんたちは思ってもいなかっただろうし。
「まさか、コナミちゃん・・・妊娠してるの?」
本気で心配しているおばちゃんに、慌てて答える。
「違います、違います!!」
やっぱり私たちの年齢で結婚って、すんなり受け入れてはもらえないのかな。
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