「“好きなヒト”なんて、恥ずかしいから何度も言うなっ」
「あたし、お兄ちゃんと由妃センパイを一目会わせてあげたいと思って、それで“歩けない”ってウソついてセンパイに家まで来てもらったんだ♪」
「え…ウソだったの?」
「うん♪ フツーに歩けるし、あと、こんなふうにスキップだってできちゃう♪」
真子ちゃんの軽快なスキップを見ながら、ダマされたあたしは疲れが一気にドッと出たようなキモチになった。
「さぁて、あとは若いもんに任せて、あたしは退散するかな♪ ウケケ♪」
言いながらキッチンを出ていく真子ちゃん。
「…って、オイ。“若いもん”って、妹のお前のほうが俺より年下だ、っつーの!」
「ぷっ」
思わず吹き出しちゃうあたし。
「うわっ、汚ね。いま“おつゆ”飛んだぜ」
「おつゆなんか飛んでないもん!」


