恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~

「えっ、ナニ!?」

「由妃センパイ、リンゴ食べちゃった?」

「だって“一緒に食べよ”って……まさか、ひょっとして毒入りリンゴだったとか……」

「“毒入りリンゴ”って…。あたし、魔法使いのおばあさんじゃないよ」

「じゃあ、ナニ…?」

「毒入りじゃないけど、でも、このリンゴはただのリンゴじゃないんだ。聞いてビックリ、な、な、ナント“魔法のリンゴ”なのダ!」


「魔法のリンゴ!?」


リンゴをしみじみ見てみるんだけど、何の変哲もない、ごくごくフツーのリンゴにしか見えない。

「魔法のリンゴなんてウソばっかし」

「本当だって。一口食べれば、どんな願いでもゼッタイに叶っちゃう。だから魔法のリンゴっていうんだよ」

「どんな願いもゼッタイに叶う…!?」


その瞬間、あたしの脳裏にサッカーの朝練をしている七森くんの姿が浮かんだ。


“今のあたしの願い事。それは七森くんに誕生日プレゼントのミサンガを渡すこと”