恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~

「立てる? 膝を擦りむいてるみたいだけど、他にどこかケガしてるとこない?」

あたしは女のコに手を貸して立たせてあげた。

「ありがとう。コケたとき、そーとー腰を打ったみたいで超イタイ」

「救急車呼ぶ?」

「いや、それほど大袈裟じゃないと思う」

「ふぅん、たいしたことなくてよかった」

あたしは転がっているリンゴを拾い始めた。

「ごめんね。リンゴいっぱい買いすぎて、重くて、バランスくずしてコケちゃったみたい」

「こんなにいっぱいリンゴを買って、どうすんの?」

「来週、家庭科の授業でリンゴの皮むきのテストがあるから家で練習しようと思って」

「あぁ、あたしも1年生のとき、やったよ。家で毎晩、母さんに猛特訓してもらったっけ」


たった1年前のことなのに、なんだかすごく懐かしいような思いを感じながら、あたしは次々とリンゴを拾っていった。


「ねぇ、歩いて帰れる?」

全部のリンゴを拾い終えて言った。

「う~ん…ちょっとムリっぽい……」