恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~



“ア~、早く追いかけないと行っちゃうよォ”

そう思いながらも女のコのほうを向くあたし。

よほど痛いのか立ち上がることもできないで、まだ膝をさすっている。

“あたし、このコのこと、全然知らないし、放っといて行っちゃおっか……。でも……”

誰かあのコを助けてくれる人がいないか、まわりをキョロキョロ見回してみるけど、運悪くとゆーか、あたし以外の人の姿は見えない。


“七森くん……”


でも振り向いて見ても、もう横断歩道の向こうに彼の姿はなかった。


“あ~ァ、行っちゃった……”


そう思いながら振り向くと、女のコが苦痛の表情で立ち上がろうとしている。


「もォ…」


女のコに駆け寄るあたし。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないかも…」