あたしが軽く落ち込んでいるあいだにも、おしゃべりしながらさっさと帰ってしまう彼。
“こーなりゃ、帰り道で一人になったタイミングで渡すしかないか……”
学校の近くの商店街。
「なぁ、今夜のセリエAの試合って見る?」
男子とおしゃべりしながら歩いている彼。
その少し後ろを、物陰に隠れながら追いかけて歩いているあたし。
それから十数分後……。
商店街のはずれまで来ると、七森くんは…、
「じゃ、またあしたな」
…って言って、ひとり横断歩道を渡り始めた。
やっと彼は一人になったんだ。
“今だっ!!”
横断歩道のほうに歩き出すあたし。


