恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~

あたしは席に座り直すと、しかたなく給食を食べ続けることにした。


ほどなく完食して食器を片付けて、校舎の2階のベランダから、グラウンド中を駆け回って男子たちとサッカーを楽しんでいる彼を見ながら一人つぶやいた…、

「あ~ァ、昼休みに一人でいるときに渡そうと思ったのにな……」

…って。


“次のチャンスは放課後か…”

そのときはそう思ったんだけど、放課後になると今度は部活動がはじまって、やっぱり彼に近づくことすらできない。


でも渡すんなら誕生日の今日じゃないと意味ないし、あたしは自分が所属している美術部の部活動をサボッて、サッカー部の練習が終わるのをただひたすらに待ち続けた。


“キターーーッ”


ようやく部活動が終わって、彼が校舎の玄関から出てきた。

でも彼は一人じゃなかった。サッカー部の男子たちと一緒だったんだ。


“七森くん、人気者だから全然一人にならないよぉ…”