恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~

でも、その日の午前中はあたしにとって時計の針の進み方が異常に遅く感じられた。


「キーン、コーン、カーン、コーン……」


それだけに、今日という日の昼休みは待ちわびて、そしてようやく訪れた時間だった。



スキあらば七森くんにミサンガを渡そうとしていたあたしは、まるで獲物を狙うハンターのように神経をとがらせて、給食を食べながらも一番後ろの自分の席から、斜め前の席の彼のほうをチラチラと見ていた。


…と、そのとき給食を食べ終わった彼が席を立って食器を片付けはじめた。


“チャ~ンス♪”


追いかけていって、廊下かどこかで渡そうと思ったあたしは、給食はまだ食べかけだったけど残すつもりで慌てて席を立とうとした。

だけど……。

あたしより先に数名の男子が立ち上がった。

「おい、早くサッカーやりに行こうぜ」

教室を出て行く七森くんと数名の男子。

“ダメじゃん……”