「いた」 木に寄っかかって座っている。 「そうちゃ…」 私はそうちゃんに駆け寄ろうとする けど、横には、坂元さんがいた。 予想してたとは言え、話しかけるのはこうも勇気がいるもんだ…。 このまま帰っちゃおっかな…。 そうちゃんには後から話しかければいいし…。 さっき決めたばっかなのに決意は直ぐ揺れる。 ―――“恋に妥協はいらないの” あ。今、羽奈の言葉が頭を駆け巡った。