「先生、話って何ですか?」


先生は辺りをはばかるように、キョロキョロと左右に流れていく人の波を見てから言った。


「ここじゃ、あれだな。真面目な話だからな。場所を変えていいか?」


「いいですけど」


そんなわけで場所を変えた。


「…」


ここは近くの噴水公園。


2つの背もたれがないベンチに向かい合うようにして座っているのだが、先生のまとう雰囲気に違和感を覚えるせいか、なんだか緊張する。


どうして彼はそんなに固い表情なんだろう。


言いづらいことなのかな?


不安になる。


「水橋」


何も言えないでいると先生が真面目な顔で口を開いた。


「な、何ですか?」


あまりの真剣さに少したじろぐ。


「…お前が好きだ」


「ええっ!?」