-校門前-


「先生ー、最後に写真撮らせて下さいよ」


「えー、しょうがないなぁ」


「ねぇ、卒業記念にどこか行こうか」


「うん。どこがいい?」


「ちょっとあんた、そんなに泣くなよ」


「だってぇ…グスン」


いる場所は同じでも様々な会話が繰り広げられている。


終わりかけた梅が風に乗り、紙吹雪のようになって私達の間を吹き抜けて飛んでいく。


空は今日も雲1つないスカイブルー。


太陽も満面の笑みで地上にあるすべてのものを照らしていた。


私は一呼吸して心の中で歌を歌った。


タイトルは「卒業」だ。