~Side皐示~


流星の言葉に胸が熱くなる。


今まで犯罪者の家族ってだけで冷遇されてきた俺も、今では理解し、信じてくれる人がそばにいる。


暖かい家族がいることが、隣で笑っていてくれる人がいるのは当たり前のことではない。


そう思っていただけに、今という現実に幸せを感じていた。


ふと、先程までのことを思い出す。


両親とは時々会う約束をして別れた。


こんなに簡単に和解する気になったのなら、あんなに普通に接することが出来たなら、もっと早く会っておけば良かったかもしれない。


「ねぇ、先生」


「ん?」


「だったらどうして美綺さんの事件の時、過去を話す気になったの?」


「あの状況だと源氏が本当のことを話しかねなかった。だからどうせ知られてしまうなら自分の口で言おうと思った」


「そっか。言い訳しようにも先生、嘘下手だもんね」


それもあるが本当はわからない。


なぜ、あれだけ過去を知られることを嫌った俺が自分から話そうと思ったのだろう。


「先生さあ、知られたらお前と一緒にいられなくなるって言ってたでしょ?」


「そうだったな」


彼女を事件に巻き込まないため、その一方で嫌われるのが怖かったために言ったことだった。


「私がそれくらいで嫌うと思ってた?」