夢でいいから~25歳差の物語

私はできるだけ冷静に今までのことを思い出した。


しかし、どこでなくしたのかまったく覚えていない。


屋敷の中でバカみたいに先生に電話をかけた後から今までの中の時間。


その中のどの私をとっても無我夢中でケータイどころではなかった。


本当についてない。


先生は見つからない。


ケータイも見つからない。


すれ違う私と先生をどこかでつないでいたはずのネックレスは切れてしまった。


そして今はストーブはおろか毛布すらない山小屋の中で1人。


「バカ流星…」


私がいかにバカなのかは昔からわかっていたつもりだった。


少なくとも17歳のクリスマスイブの夜に家を飛び出して孤独を味わっていたあの時からは。


そもそもあれだって冷静を装ってただニコニコ笑っていい子のふりをしていれば、味わうことのなかった孤独だったのに。


だけど、出来なかった。


青山皐示という名の麻薬は私には強すぎた。


涙が出るほど優しく、麗しく、清らかで愛おしいあの人はまるで魔法をかけたかのように私の心に大いなる変化をもたらした。


もう他の誰も見れない。


先生が欲しい。


今すぐ私の元に来て抱きしめてほしい。


気付けば私はあの夜と同じセリフを呟いていた。


「来てよ、先生」