夢でいいから~25歳差の物語

「もう戻ろうかな」


私が意地を張るのに疲れた頃、外は夜の闇に覆われていた。


しかもまた吹雪き始めたのか、窓がガタガタ言っている。


「よし、戻ろう」


戻る、と言っても戻り方はわからないけど。


さっきのメイドさんに会えることに期待して、私は廊下をまっすぐ歩き始めた。


似たようなアンティークな雰囲気の扉がずらりと並び、本当にこんなに部屋が必要なのかと思ってしまう。


どこへ行っても似たような景色が続いて、このまま永遠に出られないような錯覚に陥りそうだった。


壁にかけてある絵画には知らない男性が描かれていて、彼にじろじろ見られている気分になる。


いくら知っている人の家とはいえ、不気味だ。


あーあ、メイドさん来てくれないかなぁ。


っていうか、今頃友里さんはどうしているだろう。


先生に夢中で私のことなんか忘れてしまったのかな。


「青山様!」


しばらくうろうろしていると先ほど期待した通り、例のかわいらしいメイドさんが走ってきた。


「あ、どうも。あの、申し訳ないのですが…」


「旦那様がどこにもいないんです!」


「旦那様?」


この家の主だろうか。


「はい。あなたの旦那様が…いなくなりました!」


「な!?」


私の思考回路は一瞬にして凍りついた。