夢でいいから~25歳差の物語

「おい、流星」


あれから何時間経ったのだろう。


考え、悩むことに疲れてうとうとしていた私の耳にふいに先生の声が飛び込んできた。


その声で私ははっと目が覚めた。


パーテーションの陰からこっそり覗くと、先生が辺りをキョロキョロと見回している。


今すぐに先生から真相を聞き出したかったが、このまま見つかりたくない気持ちもあった。


思わず私は自分の胸元で光る銀の小さなバーがぶら下がったネックレスをぎゅっと握りしめる。


これは少し前に先生からもらったものだ。


「いったいどこに行ったんだ、あいつは」


そう呟いて先生は踵を返してしまった。


悲しいような、ほっとしたような。


後味の悪いどんよりとした、まるで煙のようなもやもやした塊が胸の奥で渦巻いていた。


風の音が聞こえないことに気付き、窓の外を見るとすでに雪はやんでいて代わりに日が傾いている。


私はしばらく暮れなずむ空を眺めていた。


積もった雪は黄昏色に染まり、寂しささえも感じられた。


そうして友里さんのことも忘れてまた意味のない時間をただ過ごしていた。


今、思えば先生に私がここにいることを教えておけば良かったんだ。


もしそうしていたら、あんなことにはならなかったのに…。