夢でいいから~25歳差の物語

今まで先生と紡いできたたくさんの思い出が頭を駆け、そして消えていく。


まるで外の吹雪のようだった。


どうして好きになってしまったんだろう。


なぜ人は他の誰かを愛してしまうのだろう。


それも自分自身のことなのに決して抗えないくらい激しく、切なく。


こんなに身も心もボロボロにしてまで。


もし、私達人間に愛がなかったらこんなスカーフで胸を締め付けられるような息苦しい思いもしなかっただろう。


そして傷つくことも、変な独占欲が生じることも、きっとなかった。


なかったはず、なのに。


やっぱり好き。


どんなに他人を愛することについて考えてみても、好きで好きで仕方なくて。


その気持ちに小難しい理屈や意味なんてない。


ただの本能的で、それでいて純粋な気持ちだった。


私はただ、幸せになりたかった。


いや、幸せであり続けたかったんだ。


愛する先生と一緒に、ずっと。


しかしながら結局、美綺さんの事件の後に私が思ったことは幻想だったのだろうか。


先生はもう誰のところにも行かないと信じたあの時の私はどこへ行ってしまったのだろう。


そうして色々なことをとりとめもなく考えていた私は、己の心の脆弱さを嘆くに至った。


時間は過ぎていく。


指がちぎれそうなくらい冷えきった廊下に座り込み、ひたすら考え続ける孤独な女を残して。