夢でいいから~25歳差の物語

「お待たせしました。あら、どうしたの?」


頭上から友里さんの声。


下を向いているから彼女の表情はわからない。


「ごめんなさい。ちょっとだけ1人にしてくれませんか」


私は先生を置いてその場を去った。


これ以上一緒にいると、何かが爆発してしまいそうな気がした。


友里さんにケンカをする姿なんて見られたくない。


わけもわからず右へ曲がったり、まっすぐ進んだり、左へ行ったりしていたのではっとした時には、先生達のいる部屋がどこかすっかりわからなくなってしまっていた。


とりあえず窓の外を見ると、いつのまにか吹雪いていた。


窓がガタガタ、風がビュウビュウとすさまじい音を立てている。


雪は横殴りに吹いて、飛ばされるというよりも、まるで空中を自発的に疾走しているかのようだった。


見えないトラックを駆け抜け、見えないゴールを目指しているみたいに。


ふいに人の気配がした。


思わず振り向くが、人の影すらなかった。


寂しいのかな。


自ら皆のいる場所を去ったのに。


いないはずの人の気配を感じるくらい、今の私は孤独感の中にいるのかな。


自分に問いかけるが、あいまいな答えしか返ってこない。


その頃、先生と友里さんがどんな会話をしているかなんて考えもしなかった。