「では、源氏。問3の答えをA~Dの選択肢から1つ選ぶとどれだ?」
「A」
「正解だ。いいか?血液の循環というのは…」
ただいま理科の補習中。
昨日の勉強の甲斐もあって、青山先生の質問にもストレートに答えられた。
そう、昨日の勉強の目的はただ1つ。
青山先生にほめられるために予習をしてたのだった。
まわりを見回すと、参加者は50人いるかどうかも怪しい。
だったら申し込むなよ、と思ってしまう。
恋の相手である青山先生の授業だけに、よけいにそう思った。
彼が悲しむじゃない。
なんていうのはあくまでもあたしの妄想であり、青山先生が本当にそう思ってるかどうかはわからないのだけど。
「先生、暑いです」
他のクラスの生徒だろう、知らない顔の男子が青山先生に言う。
「そうか?じゃ、こっちの窓も開けるか」
彼はそう言って1つだけ開けていなかった窓を開けた。
その刹那、風が一気に教室に吹き込み、青山先生のまるで暗闇を切り取ったかのような黒髪や青と紺のストライプのYシャツが揺れた。
なぜだろう、その姿を見た時、いつも以上に胸がドキドキした。
その時の彼の目が何というか、とても切なげで。
わりとクールな青山先生があんな顔をするなんて。
あたしはまるで夢の中にいるような感覚になった。
「A」
「正解だ。いいか?血液の循環というのは…」
ただいま理科の補習中。
昨日の勉強の甲斐もあって、青山先生の質問にもストレートに答えられた。
そう、昨日の勉強の目的はただ1つ。
青山先生にほめられるために予習をしてたのだった。
まわりを見回すと、参加者は50人いるかどうかも怪しい。
だったら申し込むなよ、と思ってしまう。
恋の相手である青山先生の授業だけに、よけいにそう思った。
彼が悲しむじゃない。
なんていうのはあくまでもあたしの妄想であり、青山先生が本当にそう思ってるかどうかはわからないのだけど。
「先生、暑いです」
他のクラスの生徒だろう、知らない顔の男子が青山先生に言う。
「そうか?じゃ、こっちの窓も開けるか」
彼はそう言って1つだけ開けていなかった窓を開けた。
その刹那、風が一気に教室に吹き込み、青山先生のまるで暗闇を切り取ったかのような黒髪や青と紺のストライプのYシャツが揺れた。
なぜだろう、その姿を見た時、いつも以上に胸がドキドキした。
その時の彼の目が何というか、とても切なげで。
わりとクールな青山先生があんな顔をするなんて。
あたしはまるで夢の中にいるような感覚になった。



