夢でいいから~25歳差の物語

「流星、流星ーっ?」


それから数分後、わたし達は手分けして流星を探していた。


わたしの叫ぶ声はむなしく暗闇に吸い込まれていく。


ケータイにはどんなにかけても出ない。


何回やってもプルルルルという呼び出し音の後、「お留守番サービスに…」という内容のアナウンスになってしまう。


流星が見つかったと皐示さんから連絡が入ったのはそれから3時間後。


その時、わたしはすでに隣町にいた。


流星を家に送り届けてくれた皐示さんが帰っていった後、彼女に久々に説教をした。


「どうして飛び出していったりしたの?」


わたしがそう聞いても、流星はうつむいて首を横に振るだけだった。


何かおかしい。


いつもだったら「なんでもないよ」って笑うのに。


不審には思うものの、無理に聞くことも出来なくてそのままうやむやになってしまった。


すべてがわかったのはそれから5年も経った、デート中の流星達と鉢合わせしてからだった…。


「へぇ、母さんと先生はそんな感じで出会ったんだ」


源氏さんという方が皐示さんに拳銃を向けた日から3日後。


実家に帰ってきた流星はお茶をすすりながら言った。


「えぇ」


「でも性格の不一致って、具体的にはどのようないきさつがあって先生と離婚したの?」


「秘密よ」


その後も、気になって夜も眠れなさそうだから教えてくれ、と言われたがプライバシーの侵害だと言って結局、真実は教えなかった。