ピンポーン。
約束の時間は過ぎていたが、まだ準備は終わっていなかった。
「もう来ちゃったみたい。流星、ちょっと出てくれる?」
「うん」
わたしがキッチンから叫ぶと流星の声が聞こえた。
その後、少ししてから玄関に向かうと流星と皐示さんが見つめあっていた。
そんな2人の沈黙を破るようにわたしは言う。
「あっ、いらっしゃい。寒かったでしょ」
すると皐示さんは黙ってお辞儀をした。
「流星、言ってなかったから今、紹介するわね」
流星の表情が固いのは驚きのせいだと思いながらわたしは続ける。
「この男性(ひと)はわたしの婚約相手、青山皐示さんよ」
「…!!」
「…驚いた?」
わたしはドッキリが成功したからか、やや誇らしげに彼女を見た。
わたし達が婚約した時に作ったシナリオ通りなら、彼女は驚いたという内容の感想を述べるはずだった。
しかし、流星は泣きそうな顔で皐示さんの横をすり抜け、外に出ていってしまう。
「流星!」
わたしが叫んだ時には、彼女はすでに夜の闇の中だった。
「あいつ…」
皐示さんがぽつりと呟く。
わたしはわけがわからず、しばらく動けなかった。
「睡蓮さん、何をしているんだ。早く彼女を」
「あ、えぇ」
戸惑いながらもわたし達は流星を追うことにし、寒空の下へ飛び出した。
約束の時間は過ぎていたが、まだ準備は終わっていなかった。
「もう来ちゃったみたい。流星、ちょっと出てくれる?」
「うん」
わたしがキッチンから叫ぶと流星の声が聞こえた。
その後、少ししてから玄関に向かうと流星と皐示さんが見つめあっていた。
そんな2人の沈黙を破るようにわたしは言う。
「あっ、いらっしゃい。寒かったでしょ」
すると皐示さんは黙ってお辞儀をした。
「流星、言ってなかったから今、紹介するわね」
流星の表情が固いのは驚きのせいだと思いながらわたしは続ける。
「この男性(ひと)はわたしの婚約相手、青山皐示さんよ」
「…!!」
「…驚いた?」
わたしはドッキリが成功したからか、やや誇らしげに彼女を見た。
わたし達が婚約した時に作ったシナリオ通りなら、彼女は驚いたという内容の感想を述べるはずだった。
しかし、流星は泣きそうな顔で皐示さんの横をすり抜け、外に出ていってしまう。
「流星!」
わたしが叫んだ時には、彼女はすでに夜の闇の中だった。
「あいつ…」
皐示さんがぽつりと呟く。
わたしはわけがわからず、しばらく動けなかった。
「睡蓮さん、何をしているんだ。早く彼女を」
「あ、えぇ」
戸惑いながらもわたし達は流星を追うことにし、寒空の下へ飛び出した。



