偶然に見せかけた必然。


そんな再会のシナリオをあれからずっと考えている。


しかし、思いつくのはベタなものばかり。


あれからスーパーに青山先生は現れなかった。


だからあれはたまたまだったんだな、と思う。


そんなわたしにチャンスがめぐってきたのは2ヶ月後。


流星の三者面談の時だった。


「では、今はM大が第一志望校ということでよろしいですね?」


「はい」


担任の先生の問いに流星ははっきりと答えた。


彼女は中学生の頃からM大に行きたい、と言っていた。


どうやら塾に通っていた頃、M大に在学中の、才色兼備で優しい先生がいて彼女に憧れているから行きたいらしい。


しかし、その先生と流星の年齢差は6歳。


流星がM大に入れたとしても、その頃にはその先生は卒業してしまっている。


それを言うと彼女は、それでも先生と同じキャンパスの土を踏みたい、とかなんとか。


「では、お母様から何かありますか」


気付くと先生の視線がこちらに向けられていた。


「いいえ」


「では、今回はこれで」


ヤバい、全然話を聞いていなかった。


後悔だけが残る三者面談は終わり、わたし達は廊下に出て歩き始めた。


「いやぁ、前からM大とか言ってたけどやっぱりあそこはレベル高いな」


「そうね。でも行きたいんでしょ?」


「うん。だけど先生に1日4時間、勉強しろって言われちゃったし」


「…ごめん、流星。先に帰ってて」


「え?」


見つけてしまった。


青山先生。