そのことがあってから俺は兄貴を忌み嫌うようになった。


以前はよく2人で泥んこになるくらい遊んだものだ。


しかし、この時の俺にとってそんな思い出は記憶から抹殺したいくらい嫌なものだった。


むしろ兄貴なんかいなければ、とそればかり考えた。


学校では嫌がらせの嵐。


家では暗い顔した両親との生活。


俺は何もしていないのになぜこんな苦痛に悶えなきゃならないんだ。


本当は誰かにこの苦しみを話してすっきりしたかった。


しかし、友達は兄貴の件でみんな離れていってしまった。


孤独だった。


そんな俺に数日後、さらに追い討ちをかけるようなことが起きたんだ。