「きゃあっ!」


いつものように先生を玄関まで見送り、何気なくポストの中をチェックした。


その中に入っていたのは謎の手紙。


<青山流星様
君の秘密はなんでも知っているよ>


何なの?


私は後ろを振り向く。


人の気配はない。


怖い。


不安がみるみる高まっていく。


カミソリで背中を撫でられているような気分になる。


心が先生を求め始める。


しかし、ポケットの中のケータイを取り出すことは出来なかった。


先生を巻き込みたくない。


心配や迷惑をかけたくない。


そんな気持ちがケータイを取り出すことを許さない。


かといって、警察に言っても何とかしてくれるだろうか。


確かストーカー被害にあった知人は、情熱的な愛ゆえの行動とストーカー行為の線引きは難しく…だなんて言われていたから少し頼りに出来ない。


それに自分はストーカーの被害者だとはっきりと思い知らされるような気がして、嫌だった。


だから、私には放っておくことしか出来ない。


しかし、そんな甘い態度が自分の被害を大きくすることになってしまうのだった。


ぞっと背筋が凍るような文面の手紙がポストに入っている日々。


どういうこと?


私は狙われているの?


心当たりはない。


いや、あった。


たった1つだけ。